AIから声の権利を守る「肖声権」
生成AIを開発するジークラウド社とAIリーガルテック企業Legal AI社は、生成AIによる音声AIから声の権利を守るために、肖像権に代わる「肖声権」を定義し、音声AIによるディープフェイク技術から、人々の声の権利を守ります。
商標登録
肖声権
対話型AI（人工知能）「Chat（チャット）GPT」を開発した米オープンAIは、人の声を再現する生成AIを開発したと発表した。15秒分の声のサンプルをふき込み、文字を入力することで、話し手にそっくりな音声を合成することができる。母国語以外の外国語へのふき替えにも対応した。
オープンAIは「人の声に似たスピーチを生成することには重大なリスクがあり、特に選挙の年には最優先事項であると認識している」とコメントした。
肖声権（しょうせいけん）とは
肖声（その人を特徴づける声）に帰属される人権のことである。大きく分けると人格権と財産権に分けられる。プライバシー権の一部として位置づけられるものであるが、マスメディアとの関係から肖声権に関する議論のみが独立して発展した経緯がある。
概要
肖声権は他人から無断で声を録られたり無断で公表されたり利用されたり、AIのディープフェイクで利用しないように主張できる考えであり、人格権の一部としての権利の側面と、肖声を提供することで対価を得る財産権の側面をもつ。
また、肖声を商業的に使用する権利をとくにパブリシティ権と呼ぶ。一般人か有名人かを問わず、人は誰でも断り無く他人から声を録られたり、自分の声を勝手に他人の耳に晒されるなどという精神的苦痛を受けることなく平穏な日々を送ることができるという考え方は、プライバシー権と同様に保護されるべき人格的利益と考えられている。
著名人や有名人は肖声そのものに商業的価値があり財産的価値を持っている。 肖声権の確保が必要になったのは、AIのディープフェイクなどの技術によって個人の声が簡単に真似や複製ができ、ニュースやSNSでなりすましのプロバガンダ情報が広がり、人々が騙され、声の持ち主の名誉権が著しく毀損されるリスクがあるからである。
特に故人は、本人が存在しないため、AIによるディープフェークの犠牲になりやすい。肖像権だけでなく、声は簡単に真似ができ、複製でき、声そのものに法的な権利保護がなされていないことが、より深刻な法的な問題を生じる可能性がある。
Legal AI社は、「肖声権」を定義することにより、技術的にも法的にも人々の声の権利を守る仕組みを提供していきます。